ランニングのパフォーマンス向上には「マインドコントロール」が有効だという話を読んだ。
マインドコントロールというと、かつての某新興宗教を思い出すかもしれないが、この話では「脳を信じ込ませる」ことを指している。
米Rodale社が発行しているRunning Times誌の2014年4月号の記事「Mind Control: Teaching your brain to trust your training」(by Pete Magill)によると、運動中に脳が「これ以上頑張ると危ないよ」と判断すると体にブレーキをかけ、動員される筋繊維が少なくなりパフォーマンスが低下するという。
私はこのところ、ポイント練習やレースで足が攣りそうになる症状に悩まされている。「もうすぐゴールだから、このまま行けそうだな」などと思った瞬間から、主に右脚の裏側(ふくらはぎとハムストリングス)に力が入らなくなり、攣る恐怖からまともに走れなくなってしまうのだ。
30キロ以上といった長い距離を走ると攣りやすいとかいうことではなく、5キロでも10キロでも、ふとした拍子に攣りそうな感触が出てくる。
一般的に足が攣るのは疲労、筋力の低さ、水分やミネラルの欠乏などが原因だと言われているが、私の状況にはどうも当てはまらない。しかし「脳がブレーキをかける」のだとしたら説明がつくようにも思える。
それに私は仲間のランナーと比べて、練習のタイムの割にレースのタイムが遅いようである。「これくらいで走れるでしょ」みたいなことを言われても、自分ではできる気がしない。これも脳が過剰にブレーキをかけているということなのもしれない。
最近は失敗レースやケガが重なり、「どうせダメだろうな」という意識がいつの間にか染みつき、脳のブレーキがいっそうきつくなっている可能性がある。
私のランニングの大きな障害となっているこうした問題を解消できるのが、マインドコントロールかもしれない。脳に「大丈夫」だと思わせ、ブレーキを緩めてもらうのだ。
しかし実際のところ、負け犬根性とも言える私の脳の習性をどうしたら変えることできるのだろうか?
上記の記事には、そのための手段として以下の5つが挙げられている。
1. レースと同程度の負荷でのレペ:「この程度の負荷なら耐えられる」と脳に教え込む。レース中盤から後半の疲労を再現するような負荷にするとよい。
2. 補給制限:長距離走ではグリコーゲンや水分が枯渇するので、練習の段階でそうした状況を作って脳を順化させる。
3. 走行距離の延長:距離を少しずつ伸ばすのが難しければ、1回に走る量(距離または時間)を一気に25~50%増やしてみるとよい。ボロボロになるが、次に従来の10~20%増しの距離を走るのが楽になるという。
4. ネガティブスプリットでの走行:ロング走の後半の少なくとも一部をレースペースで走る。
5. 調整レース:調整レースに出て、レースの厳しい負荷にも耐えられると脳に思い込ませる。
よし、これで次のシーズンは大幅に記録アップだ(笑)!
この「マインドコントロール」はランニングだけでなく仕事などにも応用できそうだ。