副腎疲労のことが非常に気になっているので、「しつこい疲れは副腎疲労が原因だった」(本間良子、本間龍介)という本を読んでみた。
この本は医師の本間良子さんが著者、その夫でやはり医師の本間龍介さんが監修となっている。二人とも、医師でありながら、もともと副腎疲労のことは知らなかったそうだ。
夫の龍介さんが著しい体調不良になり、休職を余儀なくされるようになり、治療法をいろいろ探っていくうちに、アメリカのウィルソン博士が唱えるアドレナル・ファティーグ(副腎疲労)という症状を知り、アメリカに行ってウィルソン博士から直接、診察や治療を受けたという。
その後、二人は自分たちの治療経験を生かして、日本の副腎疲労の患者さんに治療を施している。
この本は、副腎疲労の症状、副腎の働きと副腎疲労が起こる仕組み、副腎疲労を治すための方法(生活習慣改善のポイントと栄養・休養の取り方)を素人にも分かりやすく丁寧に書いてある。
副腎疲労の回復に必要な栄養素(サプリ)については、いろいろなウェブサイトを見ると、それぞれに内容が微妙に異なるのだが、この本を読んだら、症状の出方によって取るべきものが違うということが分かった。
本書に書かれている治療方法についてまとめるのは、別の機会に譲ることとする。今回言いたいのは、この本が、原因不明の体調不良に悩まされている人の心に寄り添って書かれているということだ。
特に最後の方の「不安になったときは、一人で悩まない」という章に、こう書かれていたことに強く頷いた。
「アドレナル・ファティーグを患っている患者さんには、自分の不調の原因がわからず、病院を転々としてきた人がかなりの割合でいます。日常生活に支障をきたすほどの慢性的に続く疲労感、うつ的な症状、無力感などを訴えても、検査では異常なしと言われ続けています。
自分はダメ人間だと自己否定し、治療してもまたうまくいかないだろうと失望する。そんな負の連鎖を繰り返してきた人が多いのです。(中略)
患者さんがそのような状況に陥っているときは、
『過去の経験だけで、あなたは自問自答しているけれど、私たちにはあなたが元気を取り戻した明るい未来がちゃんと見えています(中略)』
というようなお話をします」
自分では絶対に何かおかしいと思う症状があって誰かに相談しても、何ともない、と言われ、誰にも悩みを理解してもらえないことが、僕にとって苛立たしいというか、苦しいことだった。それを分かってくれている専門家がいるという事実を知っただけで、気持ちが前向きになった。
この本に書いてあることを実践してみて、地道に体調回復を目指していこうと思ったダメっ子であった。