この間、中学校の社会の参考書を読んでいたら、アメリカ合衆国について書かれた地理のページに、様々な民族が共存しているため「民族のサラダボウル」と呼ばれる、という記述があった。
民族のサラダボウル? 普通、「人種のるつぼ」っていうんじゃないの?
この言葉、赤字で書かれてる。ってことは超重要用語。なのに今まで知らなかったわ~。
気になって「民族のサラダボウル」でググってみたら、Wikipediaの「人種のるつぼ」のページが最初に出てきた。むむむ、やっぱりこの2つの言葉は深く関係しているらしい。
読んでみると、こう書いてある。
「人種のるつぼ」(じんしゅのるつぼ、英: melting pot)とは、多種多様な民族が混在して暮らしている都市、またはその状態を表す言葉。イズレイル・ザングウィルの戯曲の名前からきている。多民族国家アメリカ合衆国を象徴する言葉として有名である。
ふむふむ、そうだよね。
しかし次の解釈が問題とされたようだ。
それぞれの文化が互いに混じり合って同化し、結果として一つの独特な共通文化を形成していく社会(文化多元主義)を指す。
これが実態にそぐわないというのだ。Wikipediaには、さらにこう書かれている。
以前はニューヨークのような都市に対して、そうした状態を形容する言葉として用いられていた。しかし、ニューヨークの実態はそれぞれの文化が共存してはいるものの混じり合うことはない多文化主義(セグリゲーション)とする見方もあり、「混ぜても決して溶け合うことはない」という意味から共通文化を形成していくるつぼに対して並立共存の状態を強調した「サラダボウル(salad bowl)」が用いられるようになった。
なるほど~。各民族の文化が混ざり合うのではなく、それぞれが共存しているため、「るつぼ」(melting pot)では、たとえとして相応しくないということか。それでサラダボウルになぞらえるようになったのか。
ちなみに「人種のサラダボウル」という言い方の方がポピュラーなようだが、上記の意味から考えると、人間の生物学的な分類である「人種」よりも、文化的な分類である「民族」という言葉の方が適している気がする。
それにしても、うまいことを考える人がいるなぁ。それから、自分が中学生だった30年以上前に常識とされていた知識や情報が、いつのまにか改められていることがあるということを実感した。
中学校の参考書を読んで、いろいろ勉強になったダメっ子なのであった。