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翻訳者になりたいなら、できたら留学すべき

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今日は!ダメっ子のぴぴおです。

前にも書いたように、僕は翻訳者になるに当たって、会社を辞めて、それからアメリカに1年留学しました。

翻訳とは単純に言えば「ソース言語(例えば英文和訳の英語)の原文を読んで、ターゲット言語(英文和訳の日本語)の訳文を書く」という作業なので、読み書きができれば可能です。したがって、オーラール・コミュニケーション(話す・聞く)の能力は、その作業に直接的に必要なわけではありません。

それに、翻訳者になりたい!という人は、僕と同じように口頭よりも文章でのやり取りが得意な人が多いかもしれません。そのため、翻訳者になるのに、わざわざ高い費用を払って留学をして、オーラル・コミュニケーションの嵐にさらされる必要はないだろう、と考える人もいるでしょう。

しかし僕は自分の経験から、翻訳者になりたいなら、できたら留学した方が良いと思います。

目次

なぜ、留学したのか

そもそも、なぜ僕が留学したのかと言えば、会社勤めが嫌になって、留学を機に人生の方向を変えたいと思ったからです。

会社で朝から晩までダメ出しされ、睡眠時間が毎日1、2時間という生活に耐えられなくなっていたころ、大学時代の陸上部の先輩に会って何となく悩みを話したとき「留学でもしてやり直したら?」とアドバイスされたのが、留学という選択肢を視野に入れるきっかけになりました。

「留学をした後、翻訳者になる」というキャリアパスを計画した理由は、以前書いたとおりです。

翻訳者になる前に留学をしようと思ったのは、英語の専門家になるには英語力、特にオーラル・コミュニケーションの能力に自信がなかったからです。

上記のとおり、オーラル・コミュニケーションの能力は必ずしも翻訳に必要なわけではありませんが、世間のイメージでは翻訳者と言えば語学の専門家なので、英語が話せることも期待されるでしょう。

そこで英語があまり話せないとなると、翻訳者として信頼を得にくいし、自分にも自信が持てないと思ったため、オーラルを含めた英語の総合力を底上げする、という目的で留学することにしました。

最終的には翻訳者になるのが目標ではありましたが、翻訳を学べる大学は多くありませんし、翻訳のテクニックは帰国してから学ぶ手段があるので、留学では経営学を勉強することにしました。

経営学を選んだのは、実務翻訳者になった場合に有用な知識が得られると思ったからです

留学先を選ぶのに当たっては、ICS国際文化教育センター(現在の株式会社留学ジャーナル)というエージェントの無料相談を利用しました。

そこでカリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)のエクステンション(一般市民などに開放された生涯学習コース)に4-month Diplomaというプログラムがあることを知り、いろいろ検討した結果、それに応募することにしました。

大学のウェブサイトを見ると、日本から個人で申し込むことも十分にできそうだったので、エージェントを介さずに自分で申し込むことにしました。

このプログラムの経営学のコースは、4カ月でMBAの1年目くらいの内容を習得する集中カリキュラムで、入学には当時のアメリカの一流大学や多くの大学院の入学資格と同じTOEFL550点が必要でした。

申し込みを決意したときはまだTOEFLを受験していなかったので、申込期限までに十分なスコアが取れるか分かりませんでした。それに、授業では高い英語の運用能力が必要とされると思ったので、ディプロマコースへの助走として、同じバークレー校のエクステンションが行っているELP(English Learning Program、つまり英語学校)に申し込むことにしました。

まだ草創期のインターネットを駆使して、ELPとホームステイの申し込みを行い、無事に手続きが完了。

HISで片道の格安航空券を買い、アメリカン航空でサンノゼ空港に飛びました。あたかも昨日のことのように覚えていますが、実際は1997年10月、22年も前の話です。

留学先では、ホームステイをしながら最初の2ヵ月はELPで授業を受け、1998年1月からは、本来目指していた経営学のプログラムに参加しました。TOEFLのスコアは、留学する直前に日本で取れたので、現地で入学手続きを行い、すんなり受理されました。

さて、留学の目的は、オーラルを中心に英語の総合力を底上げして自信をつけることでしたが、実際は会話ができなくて自信を失うことが何度もありました。

最初は英語学校だったということもあり、先生がゆっくり丁寧に話してくれるので話の内容がよく分かり、自分が結構英語ができるような気にさせてもらえたのですが、学校の外ではちょっとした会話が聞き取れなかったり、こちらの言いたいことが伝わらないこともあり、なかなか自信を付けることはできませんでした。

留学の意外な効果

その一方で、何ヵ月か過ごしているとある変化に気がつきました。

アメリカに行った後もTOEFLのスコアをさらに上げようと思って勉強を続けていたのですが、模擬試験を受けたところ、リスニングもリーディングもスコアがだいぶ伸びていたのです。

リスニングについては、映画のセリフなどはまだ理解できないところが多かったものの、テレビのニュースなどのフォーマルな英語はかなり理解できるようになり、TOEFLやTOEICでは満点またはそれに近い点数が取れるようになっていました。

実は、それ以上に伸びたと感じたのがリーディングです。アメリカに来る前にTOEFL(当時の紙ベースのテスト)で550を超えるスコアが取れたものの、そのころは長文問題を解く際に、設問を先に読んでから、本文は設問に関係のあるところを急いで拾い読みして解くというやり方をしていました。そうしないと、時間が足りなかったからです。

しかし、留学してしばらくしてからは、普通に最初から本文を全部読み、それから設問を読んで解く、という普通のやり方で解いても時間内に十分に見直しもできるようになりました。

また、助動詞や冠詞の理解がいつの間にか深まり、アメリカに来る前なら把握できなかったと思われる微妙なニュアンスもつかめるようになっていました。

つまり、「翻訳には直接必要ないが、自信をつけるためにオーラル能力を高める」という意識で留学したものの、実際には、翻訳において最も大事な能力のひとつである読解力を大きく高めるという効果が留学にはあったのです。

これはなぜでしょう。

ひとつは、アメリカの大学では予習で大量のテキストを読まされるからだと思われます。

しかし、おそらくそれ以上に効果的だったのは、いつでもどこでも英語を目にして、そこから情報を得て生活しなければいけないという環境に置かれていたことだと思います。

レストランでメニューを読んで注文する、スーパーに行って買い物をする、駅に行って切符を買って正しいプラットフォームに行く、本屋に行って自分に必要な本を探す、郵便局に行って適切な窓口に並ぶ、銀行に行って必要な書類を見つけて記入する・・・こういった日常生活の様々な状況がすべて、短時間で英文から必要な情報を取得する訓練になっていたのです。

翻訳者になりたいなら、できれば留学した方がよいと考える理由はここにあります。

もちろん翻訳者にとって、留学には、現地で実際に見たり聞いたり経験したりしたことが英文の理解につながるというメリットもありますが、外国語の処理速度が上がるというメリットも意外に大きいです。これは自分が留学して初めて分かったことです。多読でも言語処理能力を上げることはできますが、現地で生活すると切羽詰まった状況に追い込まれるので、能力向上のペースはより速いと思います

コストを抑えて留学するには

ただ、僕が留学した1990年代に比べて今はアメリカの学費が高騰している上、日本の物価がデフレで低下したこともあり、米国留学の金銭的ハードルは当時よりだいぶ高くなっていると思います。

そこでコストを抑える手段として浮上するのが、フィリピンなど英語を公用語とするアジア諸国への留学です。

実は、僕の息子(高校1年生)がこの夏休みにセブ島に3週間、語学留学に行ったのですが、かなり集中的に特訓してくれたようで、英語にだいぶ自信をつけて帰ってきました。

セブ島の語学留学も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

ただしフィリピンの留学は語学留学がメインなので、英語でアカデミックな勉強をしたいと思ったら、マレーシアの大学への留学もよいと個人的には考えています。

コストを抑えるもう一つの手段が、オンライン留学です。

こちらは生活拠点は変わらないので、上述の「切羽詰まった状況」に置かれる効果は期待できませんが、たくさんのテキストを読んで、レポートを書いて、ディスカッションをするという形で、語学と専門知識の両方を身につけることができると思います。アビタスが提供するマサチューセッツ大学オンラインMBAコースなどではMBAが取得できてしまうわけですから、履歴書のパワーも一気に高まり、翻訳者になる以外にも様々な道が切り開けると思います。

僕は留学を決意して会社を辞めてから、一気に事態が好転して理想に近い人生が切り開けました。思い切って最初の一歩を踏み出せば、意外にうまくいきますよ!

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