このところ、スピード不足に悩まされている。
ランニングも、仕事もだ。
ランニングについて言えば、普段のビルドアップのラスト1キロなどでスピードが出ない。ラストのスピードが出ないのはスタミナがないからでもあるのだが、試しにフレッシュな状態で1000mとか400mとかの短い距離を走ってみても、明らかに以前より遅い。
相当頑張らないとキロ4分のペースが出ないのだ。これではサブスリーなど口に出すのもおこがましい。
そう言えば、2015年はフルだけでなく、5キロの記録もグンと伸びたが、2016年はフルの記録は伸びたものの、5キロは後退した。
そして2017年はオーバートレーニング症候群になってほとんど走れなくなり、2018年は回復したと思ったが、ベストに挑戦するような走りは、どの距離のレースでもできなかった。
スピードの低下は老化のせいかと思うかもしれないが、eA 式の鈴木コーチやアメリカのStrength Runningのフィッツジェラルド氏の見解を参考に判断すると、どうも「劣化」が原因のようだ。
走り続けていると、その人が走るときによく使う筋肉は鍛えられるが、あまり使わない筋肉が弱くなってバランスが崩れ、それがパフォーマンスの低下につながる。体幹は弱くなる最たる部分のようだ。
先にも述べたように、ダメっ子は2016年に5キロのタイムが急に遅くなった。フルのタイムが落ちなかったので、あまり危機感を持たなかったが、このときにすでに劣化が始まっていたと考えるべきだろう。
幸い、劣化を予防し、押し戻す方法はあるという。
体幹などの筋肉を積極的に鍛え、ドリルを行って動きづくりをし、固まった筋肉をストレッチで戻してやるとよいそうだ。
ただし一朝一夕に効果が出るわけではないので、これらは長期的にコツコツやり続ける必要がある。
そんなわけで、今更手遅れかもしれないが、先日から週1回、軽いウエイトトレーニングをすることにした。
加えて、来週からは坂道インターバルなどでスピードを強化する練習も行う予定だ。
来季はトラック競技や5キロ、10キロのレースにも積極的に出場して、楽しみながらスピードを強化したい。
そうすれば、ハーフやフルでもスピードの維持が楽になり、記録を伸ばすことができるのではないだろうか。今の調子では、3月の「はなもも」や4月の「かすみがうら」は期待できないが、その次の秋シーズンの飛躍を目指して、練習をしていこうと思う。
そして冒頭に書いたように、ランニングだけでなく、翻訳の仕事でも最近はスピード不足に悩まされている。
以前なら、のんびりやって1時間で処理できた量が、一生懸命やって辛うじてできる感じなのだ。一生懸命頑張るペースは長続きしないので、1日の処理量はおそらく以前より落ちている。
2017年に、翻訳のスピードが上がったという旨の記事を書いたが、逆のことが起こっているのだ。
2017年と同じように、意識の持ち方を変えることで多少スピードが上がるが、以前ほど劇的に上がらない。それに訳文の質も、時間をかけている割に高くないような気がする。
これはなぜなのか。
物理的な要因として、Wordをバージョンアップしたら重くなったということや、老眼が進んで文字が読みにくくなったということがあるかもしれないが、本質的な問題ではないと思う。
むしろ重要なのは、英文読解の速さと正確さが落ちているからではないだろうか。
前にも同じようなことを書いたが、翻訳の作業中は文章を細切れに読む時間が多くなり、まとまった量の文章を集中して一気に読むことが少なくなる。また翻訳は普通の読書よりもかなりの時間を要するので、翻訳だけしていると読む量も少なくなる。そのため、読解力が低下するということはありうる。
訳文(和訳)を書くという作業についても、翻訳調の不自然な日本語ばかりにさらされていると、次第にそれが不自然だと感じなくなり、筆が荒れてくるという問題がある。
つまり、翻訳を単なる「作業」としてこなしていると、走ってばかりで筋トレなどをおろそかにしている場合と同様に、「劣化」が起こるのだ。
ダメっ子の翻訳スピードの低下も、やはり劣化が原因なのかもしれない。
こちらの劣化を押し戻すのにも、やはりランニングの筋トレやストレッチに当たる基礎を大事にすることが必要だろう。
具体的には、ソース言語、ターゲット言語双方で純粋な読書の量や時間を増やす。ソース言語については、できるだけ速く正確に意味を読み取る努力を特にする。ターゲット言語では、表現の幅を広げることを意識する。
そして実際の翻訳においては、単語の置き換えに陥らず、原文の意味をよく考えて「理解」し、その理解した内容をターゲット言語で「再構築」するというプロセスを徹底する。そうすれば、訳文の質が上がるだけでなく、仕事の楽しさも格段に上がるので集中力が持続し、一日の処理量も増えると期待できる。
ランニングも翻訳も、基礎から鍛え直して「劣化」を跳ね返す!
これからしばらくは、この点をテーマに頑張ってみよう。