今日走りながら、podcastで”This Morning with Gordon Deal”のWeekend Editionを聞いていたら、大谷翔平のことを絶賛していた。
ポッドキャストのこの番組は、もともとWall Street Journalが提供しているアメリカのラジオ番組で、番組名もWall Street Journal Thins Morningだったが、2年位前にWSJが冠スポンサーを降りたらしく、番組名が変わった。
しかし扱うニュースのネタはWSJであることが多いので、WSJの記事で大谷選手のことを扱ったものを探したら、案の定、5月17日付の記事を見つけた。
その記事を読むと細かなStats(データ)を挙げて、大谷のすごさを説明していたので、内容をここで紹介する。
大谷は日本版ベーブルースとの鳴り物入りで入団したが、スカウトの間では、打者と投手の二刀流は無理で、いずれ投手に専念することになるとの意見が多かったという。しかもオープン戦の成績が散々で、開幕前はマイナーからスタートすべきとの見方も強かった。
しかし、皆さんもご存じのとおり、開幕してからの成績は目覚ましく、米国でも今や大谷の実力に疑問を投げかける人はいないという。
実際に、記事に挙げられている数字を見ると、これはすごいと唸る。打者としても、投手としても、従来の日本人メジャーリーガーの枠組みを超えているのだ。
5月17日の試合前の段階で、打率は.325、本塁打5本、OPS(日本では普通見ない指標で、出塁率と長打率を足した値)は.963。
投手としては6度の登板で防御率3.58、投球回数32回2/3で奪三振43(9イニング当たり11.85個)。
この辺の数字は、スポーツ新聞でも見るが、アメリカの野球はもっと細かいデータをいろいろと取っているのが面白い。
まずは打球の初速。大谷はこれまで平均して94.1mph(151km/h)を記録している。去年デビューして打球の速さでセンセーションを巻き起こしたアーロン・ジャッジ選手が94.9mphだったが、それとほとんど変わらないという。4月27日のヤンキース戦では、セベリーノ投手の97mphの速球を打ち返しホームラン。この時の打球の初速は112mph(180km/h)だった。
もちろん投球の速度も注目されている。大谷の速球の平均速度は97.1mph(156km/h)。先発投手でこれより速いのは前出のセベリーノ(97.6mph)とメッツのシンダーガード(97.5mph)だけ。しかも100mph以上の速球を大谷は6度記録しているが、セベリーノとシンダーガードは2人合わせて4度だけ。さらに大谷は101mph(162.5km/h)も2回計測している。これは先発ピッチャーではメジャー最速だそうだ。
足の速さも際立っており、4月12日の試合で三塁打を打ったときは三塁まで11.49秒で到達。ベースランニングの平均速度は秒速28.1フィート(約8.6m)。シーズン序盤は30フィートに迫っていた。これを超えるのは、快足で名を馳せる選手だけだそうだ。
変化球のデータも秀逸だ。今シーズンこれまでに大谷がスプリットを投げたときに打者が空振りした割合は29.4%。メジャー最高のスプリッターと評される田中将大(ここでも日本人選手の名が!)の去年のこの数字は23%で、大谷はそれを上回る。しかも大谷はこれまでにスプリットを136球投げて、ヒットを打たれたことが一度もないんだって!
様々な角度から大谷のすごさが分かったでしょ?日本人選手にしては頑張っている、というレベルではなく、メジャーの中でも際立った数字を残しているのだ。イチローのヒット数とか野茂やダルビッシュの奪三振もメジャートップクラスだったが、投手と打者でこれだけハイレベルの数字を残しているのは驚異的。長打力に至っては今のところ松井秀喜をも超えているという印象だ。それにしてもメジャーリーグは随分いろんなデータを取っているんだと感心した。